サイクリスト・インタビュー|ランドナー サラリーマン輪太郎さん

ランドナー サラリーマン輪太郎さん

旅先に合わせて自転車を選ぶ
サラリーマン輪太郎の
マイペース日本一周。

ランドナー

サラリーマン輪太郎さん

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休暇をつかって、マイペースに日本一周

夢は日本一周一筆書き!忙しい現代人ならではの、長期休暇を利用したマイペースな自転車一人旅を続ける、サラリーマン輪太郎さんに取材。

ランドナー サラリーマン輪太郎さん 走行写真

一筆書きのようにして、日本列島を周遊しています。

「自転車日本一周」と聞くと、食料や野営道具、大量の荷物を自転車に乗せての長旅を思い浮かべますが、サラリーマン輪太郎(以下:輪太郎)さんの「日本一周」はちょっと趣きが異なる様です。普段は会社員の輪太郎さん。休暇がとれると前回ゴールした地点まで公共交通機関をつかって輪行。中断した場所から再スタートするという、なんともマイペースな日本一周スタイル。そんな、自由気ままな「大人の」自転車日本一周を愉しむサイクリスト輪太郎さんにお話をうかがいました!

輪太郎さんは日本一周が目標なんですか?

はい、日本列島を一筆書きのように一周をするのが目標です。現在、大型連休や会社の長期休暇を利用して、春と秋に3泊〜4泊の自転車旅と、1泊の島旅を年に数回走っていますね。今年(平成26年)の春には和歌山の新宮から尾鷲、伊勢を通って名古屋まで走り、夏は五島列島に行って来ました!日本列島の半分は廻っていると思います。

ランドナー サラリーマン輪太郎さん インタビュー写真

自転車を拝見すると、ロードバイクとは違うようですが
特別な自転車ですか?

旅に多く愛用している自転車は、泥よけやフロントバックのついたランドナーという自転車を利用しています。利点は荷物が多く積めることと、タイヤが太いのでパンクし難く、タイヤを外せば電車や飛行機にも詰めますので前回ゴールした地点まで公共交通機関を利用して旅をスタートできることです。

日本一周やロングツーリングではキャンプや野営を行うのですか?

自転車で日本一周をするというと、そういうイメージが真っ先に思い浮かびますよね。でも私は、自転車は自分のファッションと同じように見た目にも気を遣いたいと考えています。お洒落な自転車を自分で組み立て、その自転車にまたがって旅先では風や香りを感じて走りたいですね。ですから今は最低限、宿泊施設で寝泊まりして、お風呂にも毎日入りますよ(笑)

ランドナー サラリーマン輪太郎さん 自転車ギャラリー写真

室内は所狭しと並ぶ自転車のギャラリー。パーツやポスター、小物も自転車一色。まさに自転車野郎の部屋

室内は見渡すと何台もの自転車やパーツが。
日本一周には、やはりこれだけ沢山の台数が必要なんですね?

いいえ、たぶん何台も必要ないと思います(笑)私の場合は旅の目的、距離にあわせて使い分けているので、城下町のポタリングであればミニベロ、3泊以上であればランドナーやキャンピング、岬めぐりや標高の高い山岳サイクリングの場合は登坂にあわせてロードバイクかシクロクロスを選びます。ゴルフでドライバーやアイアン、パターなど最低でも10本必要なのと同じですね。ちなみにここにある自転車は一部でして、まだ実家に数台あるんですよ!

ランドナー サラリーマン輪太郎さん マイチャリ写真
ランドナー サラリーマン輪太郎さん マイチャリ写真02

それにしても、あまり見かけない個性的な自転車が多いようですが?

そうですね。私が集めている自転車は、いまでは製造されなくなったものばかりですので、そう思われるのも仕方ないかもしれません。昔ながらの自転車屋さんに埋もれているフレームやパーツ、中古で見つけたレトロな自転車を集めて、使える部品を組み立てながら、自分専用の1台を作るのも楽しみのひとつなんですよ。

ランドナー サラリーマン輪太郎さん 自転車紹介写真
ランドナー サラリーマン輪太郎さん レトロライト写真

鞄はオーダーメイド。レトロなライトは、今ではもう製造されていないビンテージもの。空気入れも個性的で、とにかく凝っています!

最後に自転車旅行のきっかけや素晴らしさをお聞かせ頂けますか?

中学生の頃、1人で四国を自転車でまわったのがきっかけでした。当時はシェラフや気の利いたコッフェルもない時代ですから、米軍払い下げのテントに飯ごう、毛布を積んでの自転車一人旅でした。今でも忘れませんが、中学二年の夏休みに、高知から室戸岬をまわって海部町に着いたのが、陽も暮れようとしていた19時前。夏の夕日が太平洋に沈みかけていました。宿泊予定の日和佐町のユースホテルまでは更に30kmちかくあり、沈む太陽に背をむけて東に自転車を走らせたのを覚えています。1時間も走ると陽はどっぷりと沈み、鼻をつままれても分からない夜道を、泣きながら、懐中電灯のあかりだけを頼りに走りました。1970年代の田舎道は今のように自動車も走っておらず、1時間に1台か2台すれ違う車に勇気づけられながら、なんとかユースホテルまでたどり着いた時のことは40年ちかくたっても忘れられない思い出です。そのホテルでの出来事ですが、夜寝ていると、同じように自転車で旅をしていた大学生達に起されて、ウミガメの産卵を見に誘われたことも記憶に残っていますね。

ランドナー サラリーマン輪太郎さん 橋と自転車写真
ランドナー サラリーマン輪太郎さん 橋と自転車写真02

自転車の素晴らしさは数えきれないほどありますが、自転車は五感で体感でき、旅の達成感を感じられる最たる手段だと思います。よほどのダウンヒルでない限り、足さえ動かしていれば頭では今後のスケジュールや心配事、現在進行中の仕事のことなどをゆっくりと考えることもできますので、忙しい現代人にはぴったりのスポーツでしょう。まあ、色々考えてみたところで行き着く答えは、いつも「何とかなるさ!」なんですけどね(笑)

「自転車で日本一周」と聞くと、現実離れしすぎていますが、輪太郎さんの様にマイペースに各地をまわり、自分のペースで日本一周を続けることも出来ることを初めて知りました。ランドナー日本一周。奥が深いですね!

スマキタ

インタビューにお応え頂き、ありがとうございました!