日本一周チャリダー
岡 大悟さん
自転車で日本一周の旅に挑む日本一周チャリダーの1人を取材
自転車の楽しみ方はひとそれぞれです。ロードバイクで仲間とツーリングを楽しんだり、マウンテンバイクでオフロードを走ったり。通勤や通学、町での移動に使えるのも自転車の便利なところです。そんな自転車を使って日本一周に挑むチャリダーがいます。スマキタでは、自転車で日本一周の旅に挑む、日本一周チャリダーの1人を取材しました。
今回スマキタが取材させて頂いたのは5月に伊豆を出発した岡大悟さん。静岡から海沿いに北上し、東北の地を自転車で走り抜けながら雄大な北海道へ渡り、本州に戻ってからは日本海側に南下し、四国、九州、沖縄をへて、いよいよ出発地伊豆へむけての折り返しの旅をスタートした11月末に、門司港でお話を伺うことができました。
36歳のとき、10年間努めていた会社を辞めました。新しい仕事は探していましたが、ふと振り返ってみると自分には何も残っていない気がして、それなら今の自分にできる最大限の挑戦をしてみたい。そう思い、2万円の自転車を購入したのが自転車日本一周のはじまりでした。旅のテーマはチャレンジ。そして旅を終えたとき、その先に何が見えるのか、それを大切にして走っています。
はい。最初は伊豆を出ることで、本当にやりたいことを見つけて帰ろうと思っていました。今では、やっぱり地元の伊豆に戻った時に、そこで出来ること。伊豆の良さを発信できる何かに携わりたい、そういう風に考えるようになりましたね。
やっぱり、旅を通して色んな人たちと出会えたことが一番大きいと思います。旅先で良くしてもらった方、「がんばって」と声をかけて下さった方、宿泊させてくれて、食事まで用意してくれた全国の友人達。そして、自分と同じように自転車で日本一周をしていた沢山のチャリダー達との出会いと交流。旅先でふれた人のあたたかさは、かけがえのない思い出となっています。
ええ、沢山いらっしゃいますよ!皆さん、それぞれ目的地とコース、ゴールが違いますからずっと一緒に行動するわけではありませんが、多い時では4人くらいで一緒に走っていた時期もあります。1人で始めた自転車旅でしたが、やっぱり仲間がいるのは心強いですし、夜、テントを広げて酒を飲みかわしたり、お互いの旅の話をするのは良い刺激になりました。
なんといっても北海道と沖縄。この2ヶ所は景色も素晴らしく景観を楽しみながら走れたのが良かったですね。その他にも、ねぶた祭が印象深いです。ねぶた祭は全国の旅人が祭りにあわせて集まることでも知られていて、自分と同じように自転車日本一周をしている方々とも、ここで出会いました。あと、長野から岐阜へ向かう「日本一標高の高い道路」を制覇したことも、苦労した分だけ、今となっては良い思い出です。
登り坂が辛いのは、自転車なので当然のことですが、それよりも泊まる場所の確保が大変です。一日中自転車をこいで宿泊予定地にたどり着いても、野営が禁止されていて他の場所を探さなければいけないことが何度かありました。疲れ果てた状態から、日が暮れるまでに次の野営地を目指すのは身体的にも精神的にも辛いですね。ですから、朝出発してから正午過ぎまでに目的地へたどり着き、なるべく早い時間で宿泊地を決めるようにしています。
九州、沖縄をぐるっと巡り、
いよいよ本土へ戻る岡さんの後ろ姿。
旅も大詰め伊豆へむけて折り返しの旅がはじまりました。
アドバイスというほどのことでもないかもしれませんが、ゆとりある行程をオススメします。せっかく自転車で日本一周をするのですから、ぎちぎちに行程を組むともったいないですよ。天候の悪い日は身動きがとれないですし、美しい場所で立ち止まって景色を眺めたり、旅先で祭りが開催されるならその日まで停滞する楽しみもあります。コースから外れて立ち寄ってみたい場所も出来るかもしれません。そんな時、行程にゆとりがあれば、もっと旅を満喫することが出来ると思いますよ。